株式会社Selコーポレーション

平成27年度名古屋市子育て支援企業認定:審査員特別賞受賞

業種:福祉
事業内容:児童発達支援、通園施設の運営
従業員数:28人(うち女性 27人)平成30年1月現在
所在地:名古屋市南区

様々な個性や才能が活かされる職場を目指して

株式会社Selコーポレーションが運営する“ろばのこ療育園”は、障害のある、または発達に不安のあるお子さんが通園する施設です。現在、3つの園を運営し、保育士をはじめ、ほとんどの職員が子育て中の母でもあります。

代表取締役社長の福井さん(写真右)と総務部の関さん(写真左)。「これからも新しいことにチャレンジしていきたい」
                        代表取締役社長の福井さん(写真右)と総務部の関さん(写真左)。
「これからも新しいことにチャレンジしていきたい」

「すべての子どもの笑顔のために」がSelコーポレーションの理念です。
福井社長は「登園されるお子さまはもちろんのことですが、職員のお子さんも笑顔になれる会社を目指しています」と語ります。
Selコーポレーションでは、お子さんの行事やお子さんの病気で仕事を休むことは【当たり前】と位置付けられています。その分、日ごろから手厚い人員配置がなされ、出勤者が多い時には多いからこそできる仕事をして、保育の質を高めていくといういい循環が生まれています。

総務部の関さんは、現在は、二人のお子さんの子育てをしながら働いています。短時間勤務の限られた時間の中で、ホームページなどの広報物の制作・管理や労務関係の仕事などを精力的にこなしています。「子育てをしていると、子どもが急に熱を出すこともありますし、朝、学校に送り出す段取りが思うように進まないこともあります。そんなときでも、社長をはじめ、他の職員のみなさんが“今日はゆっくり看病してね”“慌てなくていいから、ゆっくり来てね”と言ってくれるのが本当にありがたい」。

また、Selコーポレーションでは、お子さん連れの出勤も可能です。職場ではプロとして仕事する、という前提はありますが、それができるなら、お子さんを連れてきても大丈夫ということになっており、実際に子連れ勤務をされている職員もいらっしゃいます。また夏休みなどの長期休暇のときだけお子さん連れで出勤される方もおり、一人ひとりの事情に合わせた働き方が実現されています。

こうした多様な働き方を可能にしているのが、日ごろからのコミュニケーションです。基本的に毎月職員のお誕生日会を開催し、そこには職員の家族が参加することも可能です。職員のお子さん同士が友達になることもあり、次の開催を楽しみにしているご家族も多いのだとか。また、職員全員による交換日記があり、仕事に関する気づきや情報共有とともに、個人的な悩み事や困りごとの相談なども行われているそう。

とてもあたたかな社風ではありますが、一方で、福井社長も、関さんも、「当社は仕事に関してはとても厳しいです」と口を揃えます。それも理念を大切にする保育方針・経営方針があってこそ。職員のみなさんが理念を共有し、その中で一人ひとりが果たすべき役割を意識しているからこそ、困っているときは支えあい、無理なくよい仕事が継続できる職場づくりができるのかもしれません。

「育児に限らず、家庭や個人の中で本当に大変なことや苦しいことがあったとき、それを隠して平気なふりをして仕事をするというのは、それだけで重労働ですよね。ここでは、いろんなことを打ち明けても一旦受け止めてくれるし、自分が大切にされていると感じられます。だから仕事も心から頑張ろうと思えるんです」と関さん。福井社長は「彼女をはじめ、当社の職員は全員本当に必要な存在。育児をはじめ、人として積んできた経験が日々の仕事の中でも活かされていますし、いろんな視点から提案や改善をしてもらえるのがありがたい」とその想いを受け止めます。

「働くというのは、誰かの役に立つということでもあります。そのことがお母さんたちの自己肯定感を高め、人生を豊かにしていく。人には誰でもいろんな才能があります。子どもたちも、お母さんたちも、その才能を発揮し、自信をもっていきいきと活躍できる場を広げていきたい」と福井社長。これからもたくさんの笑顔がここから生まれるに違いありません。

(2017年11月22日取材)